デジタルブックと紙媒体はどのように使い分ければいい?【メリット・デメリットも紹介】

デジタルブックと紙媒体はどのように使い分ければいい?【メリット・デメリットも紹介】

近年は、紙媒体の書籍やパンフレットに代わって、電子書籍をはじめとするデジタルブックを見かける機会も増えました。しかし、それぞれ異なる利点があります。

そこで、今回はそれぞれのメリット・デメリットと、紙媒体が向いているケース、そしてデジタルブックが向いているケースについて紹介します。どちらが向いているのかわからない方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

紙媒体のメリット

まずは紙媒体のメリットから見ていきましょう。

紙の本を持って微笑んでいる男性

手に取れる安心感がある

実際に触れることができるため、安心感や信頼感を与えやすいでしょう。資料やカタログなどは、手元にあることで参照しやすく、繰り返し読んでもらいやすいという点もあります。

視覚的な印象が強い

デザインや紙質を工夫することで、ブランドの高級感や温かみを表現できます。特に印刷物は、色味や質感で差別化がしやすいです。

ネット環境が不要

オフラインでも閲覧可能で、電池切れや接続状況を気にせず利用できます。展示会や打ち合わせなど、ネットに繋がらない場所でも活用できます。

紙媒体のデメリット

次に、紙媒体のデメリットを見ていきましょう。

更新が容易ではない

内容の変更や訂正が必要な場合、再印刷が必要となることが多く、その場合、コストも時間もかかります。

保管・管理が大変

数が増えると保管スペースが必要になり、古い情報の整理や管理が手間です。

配布にコストがかかる

印刷費や郵送費がかかり、大量配布には費用がかさみます。また、印刷物の廃棄も環境負荷となります。

紙媒体が向いている場面

雑誌の発行部数の減少に代表されるように、年々紙媒体の書籍や雑誌、パンフレットなどは数を減らしていますが、デジタルブックにはない優れたポイントが複数あります。紙媒体が活躍する場面を解説します。

  • 1.電子機器を必要としない場合
  • 2.再現性の高さを強調したい場合
  • 3.ターゲットを高齢者にしたい場合
  • 4.ブランディングや高級感を演出したい場合

電子機器を必要としない場合

デジタルブックなどの電子書籍は、スマートフォンやタブレットなど、任意のデジタル機器に書籍のデータを落とし込んで持ち運べます。しかし、デジタル機器本体の充電が切れるなどして、使用が不可能な状態になってしまうと、必然的に書籍が読めなくなってしまいます。そもそも、諸事情でデジタル機器を所有できていない人も少なくありません。

紙媒体の場合は、デジタル機器を介することなく書籍が読めます。そのため、デジタル機器の有無に関係なく、多くの人に情報を届けられます

再現性の高さを強調したい場合

書籍には、写真やイラストが用いられるケースがあります。読み手に対して、視覚的な情報を与えられる一方で、デジタルブックで写真やイラストを使用すると、PCモニターやディスプレイ環境の影響を受けてしまい、正確な色彩を伝えることができません。これはとくに、商品の紹介を目的としたパンレットやカタログにおいては致命的です。

しかし、紙媒体であれば、写真やイラストの色彩や質感を比較的 正確に再現できます。そのため、現在でもカタログギフトなどは紙媒体で発行されることが多いです。

ターゲットを高齢者にしたい場合

昨今は、日常生活のあらゆる場面で、インターネットを活用する場面が増えました。しかし、高齢者をはじめ、依然としてインターネットやデジタル機器に苦手意識を持っている人は一定数います。

紙媒体はデジタルブックが出るよりも、ずっと前から多くの人に親しまれており、高齢者にも手を取ってもらいやすいです。そのため、高齢者を対象とした書籍や雑誌、パンフレットなどを発行する場合は、デジタルブックよりも紙媒体の方がよいでしょう。

ブランディングや高級感を演出したい場合

紙媒体のカタログやパンフレットは、ブランディングや高級感を演出する際、非常に便利です。紙媒体はデジタルブックとは異なり、紙の厚さや素材、加工方法などを変えることで、読み手にさまざまな印象を与えられます。

たとえば、和菓子の宣伝をするチラシを作成する際、和紙風の素材を使用することで、より強いインパクトを与えられます。ほかにも、高級志向の商品を紹介するパンフレットを作成する場合、ニス加工などを行うことで、より商品の特別感を演出できます。

デジタルブックのメリット

デジタルブックを見て微笑んでいる男性

今度はデジタルブックのメリットをご紹介いたします。

下のボタンから会社案内をデジタル化した際のサンプルブックをご確認いただけます。
ぜひご覧になりながら記事を読み進めてみてくださいね。

情報の更新が容易

デジタルブックは内容の修正や追記がすぐに可能です。最新版を常に配信できるので、情報の鮮度が保たれます。

配布が簡単・低コスト

メールやSNS、ウェブサイトなどで簡単に配布でき、印刷費や送料がかかりません。1冊作成し、Webサーバーに公開してしまえば誰でも見られるので、大量配布にも向いています。

分析や連携が可能

Googleアナリティクスなどのツールを用いることで閲覧数や滞在時間などのデータを取得でき、マーケティングや改善に役立てられます。電子媒体ならではの機能として、リンクや動画を組み込むことも可能です。

デジタルブックのデメリット

続いて、デジタルブックのデメリットをご案内いたします。

デバイス・ネット環境がないと閲覧できない

パソコンやスマホ、タブレットなどの端末が必要で、ネット環境がないと閲覧できない場合があります。
※特別な設定を行えば、ネット環境がない場合でも閲覧することは可能です。

視覚・触覚の印象が紙媒体に比べ、弱い

紙媒体と比べると、手触りや質感での印象付けが難しく、ブランドの高級感を出すのは工夫が必要です。ロゴを設定したり、デザインを工夫することで他との差別化を図ることができます。

セキュリティ面でのリスクがある

配布後に無断で拡散される可能性があり、機密情報を扱う場合は注意が必要です。パスワードを設定することも可能なため、必要な際は検討しましょう。

デジタルブックが向いている場面

紙媒体と同じく、デジタルブックにも優れているポイントが複数あります。デジタルブックの特徴が活きる場面を解説します。

  • 1.インターネットを通じて即時提供したい場合
  • 2.印刷コストや管理コストを削減したい場合
  • 3.担当社員の負担を軽減したい場合
  • 4.アクセス数や閲覧状況を計測したい場合

インターネットを通じて即時提供したい場合

デジタルブックの大きな利点は、やはりインターネットを活用できる点です。昨今は国内外、老若男女問わず、インターネットを利用する人が増えており、日常生活を送るうえで欠かせない存在です。

デジタルブックは、そんなインターネットを通じて、書籍などを多くの人に、同時に配信できます。たとえば、以前であれば配送などの問題から、都心や地方、国外で同日に本や雑誌を提供するのは困難を極めました。しかし、オンライン上でデジタルブックを公開すれば、どの場所にいても書籍を提供できます。

印刷コストや管理コストを削減したい場合

デジタルブックは、基本的にオンライン上で扱われる存在です。そのため、紙媒体では避けることができない、印刷コストの問題から解放されるというメリットがあります。

また、紙媒体の書籍や雑誌は、どうしても本そのものを管理するスペースが必要です。しかし、デジタルブックは書籍のデータが入っているデジタル機器を管理するだけなので、書籍管理のスペースもコストもかかりません

しかも、データ容量に問題がなければ、デジタル機器を所有しているだけで、複数の書籍を自由に持ち運べます。

担当社員の負担を軽減したい場合

紙媒体のパンフレット、カタログなどは、読み手に対してダイレクトに紹介する商品の質感などを届けることができる利点はありますが、やはり管理のわずらわしさが問題です。とくに、複数のパンフレットや紙媒体を扱う場合、持ち運ぶだけでも相当な手間がかかります。

しかし、デジタルブックであれば持ち運びも簡単です。また、営業先で目的のパンフレットやカタログをカバンから探し、取り出す手間も解消できます。以上の点から、社員の負担を減らす効果が期待できるでしょう。

アクセス数や閲覧状況を計測したい場合

昨今は自社商品やサービスの販売促進のために、マーケティングを重視する企業が増えています。マーケティングの手法として、市場調査が一般的ですが、デジタルブックを採用することで、この調査を効率的に行うことが可能です。

たとえば、オンライン上にデジタルブックを公開することで、アクセス情報を収集できます。そのアクセス情報を解析すれば、どの年代の、どの性別の人は、どのような目的で電子書籍の情報を利用したのかわかるため、市場調査の役に立つでしょう。

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まとめ

以上、デジタルブックと紙媒体のメリット・デメリットと、それぞれのに有効な場面について解説しました。近年は、デジタルブックを始めとした電子書籍の普及も進んでいますが、依然として紙媒体にしかない利点もあります。

扱う書籍やパンフレットを、どのような目的で、どのように活用するのか、事前に明確にすることで、効果的なデジタルブックと紙媒体の使い分けが可能になるでしょう。

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